９月から11月は秋の大会シーズンで、特に文化の日と勤労感謝の日のあたりは大会ラッシュになる。これまでもあちこち出かけてきての今年、気になってはいたものの縁のなかったこの大会へ、参加してきました。（画像をクリックすると、別窓で拡大表示されます）

９月中旬　申し込み

案内があったのですぐに参加表明する。千葉県とだけで正確な場所は聞いていなかったので、Googleマップで「千葉　白井中学校」と検索したところ、白井（しろい）市と千葉市に表示された。これはどっちだと要項を再読し、念のため航空写真で弓道場を探し、白井市の方であることを確認する。

11月３日
08:20　到着・受付

見知らぬ町をナビに言われるがままに進み、そろそろ到着といったところで、駐車場を案内する立看板を見つけた。白井中学校の校門前へ行き、誘導に従って構内に入り車を停める。千葉、船橋、習志野、柏、袖ヶ浦、松戸、野田と、千葉県内のナンバープレートが並んでいる。前を行く人について武道館（弘道館）に至り、玄関を入り中へ進むと柔道場で、全体から見れば左半分の畳のエリアが控室のようだ。壁の随所に臨時の弓立と弓張が設置され、矢立もある。もう半分の剣道場は巻藁が３つ並ぶ巻藁エリアとなっていて、それらを仕切るように受付のテーブルや立ち順表を掲示したホワイトボードが並んでいる。まずは受付。参加費と引き換えにゼッケンと参加賞を受け取る。

09:00　開会式

弓道場は武道館の玄関を出てぐるりと回り込んだ裏にあった。矢道に整列して開会式。空気はややひんやりしていても、日差しはまぶしく温かい。３割くらいの人が道衣の下に長袖を着ている。思うに、夜に練習している人が長袖で、昼に練習している人が半袖といったところだろうか。
国旗拝礼、挨拶、競技説明と続く。天・地・人なる三段以下が対象の賞に、10位毎の飛び賞、第39回とのことで39位の特別賞もあり（入賞以外は立順で決定）。矢渡。落の右後方に出入口がある作りだから、節分射会のように右足から入場だった。立札代わりに菊の鉢が置かれている。

09:45　競技開始・待機

偵察に、始めの数立を眺める。４人立くらいの間口に５人立１射場。退場は大前の右前方へ。次の立が入っているとちょっと窮屈そう。出番はまだまだ先と武道館に戻り、立順表など眺める。千葉と埼玉、茨城の一部地域から104名。傍らには、弓道を題材とした絵画や、手工芸品が展示されていた。
10時半頃にどこまで進んだかなと様子を見に行く。まだしばらく待つことになりそうと戻りながら、名前の通り、菊をあちこちで見るなと思う。右袖に黄色い菊のブローチは、大会役員の目印のよう。弓道場出口には菊の鉢が並び、立順表を固定するマグネットはつまみ細工の菊と、ちょっとしたところに菊があしらわれている。そして菊と同じくらい、謎のキャラクターを見かける。「なし坊」なる白井市のマスコットキャラクターだそうで、手描きのイラストは「461（しろい）」のゼッケンもつけている。マンホールも梨の柄だったから産地なのだろう。そういえば「ふなっしー」の船橋市は南隣だ。
11時に弁当配布。酒饅頭とペットボトル緑茶も付いてきた。出番を考えると、今食べてしまうと射に影響しそう。とはいえ空腹では力が出ない。ここは酒饅頭でしのぐことにしよう。

12:00　四つ矢坐射

予定より大分遅れているようで、次の立射は会打起しにしようと話しているのが耳に入った。第２控で入場は右足から、矢取りについての説明がある。
たまの四つ矢坐射だから、原則のさばき方をやってみる。残念は免れたけれど、何だか空回りして終わってしまった。矢を回収し、控室に戻って昼食にする。13時頃に四つ矢坐射が終了、安土整備の中断があり、後半戦に続く。

15:00　四つ矢立射・閉会式

調子を取り戻したかと思ったのも束の間、矢所が荒れてくる。予選通過の可能性はないのでゼッケンを返して、弓矢を片付けて着替え、雑談などして過ごす。どうやら例年は弓具店の出店があるらしい。
15時40分頃に競射の呼び出し、16時20分頃に決定。程なく、開会式同様に矢道に整列して閉会式。飛び賞を期待してか、割と人が残っている。うっすら寒くなってきて、空の青も随分と濃くなっていた。次々と順位が発表されていく。副賞はどうやら米らしく、ここのところ米の値段が高いので、うらやましがっている人がいる。16時30分過ぎに終了。雲ひとつない空が大きくグラデーションに染まり、星空へとうつろう変化を見ながら帰った。

　とりあえずこれで、文化の日まわりの大会ネタは出尽くした。暑くもなく寒くもなく、天候も割合安定した、弓を引くのに良い時期で、明治神宮という大物があるし松本城の例もある。縛られがちな地域の枠を飛び越えて、その地域ならではの特色ある大会が各地で同時多発に開催されれば面白そうと思っている（別に文化の日でなくても、観光がてらに弓を引きたい）。