昨年は暑かった。最高気温を見ただけで心が折れて、日中ほとんど活動しなかった。そして今年もまた暑くなるとの予想で、これまでの暑さ対策は無力かもと、ひとまず冷凍可能な折りたたみ水筒を買い足した。そして梅雨明け頃になれば昨年に輪をかけて暑くなり、これ以上の対策に衣類をあたってみることにした。
　吸汗速乾のインナーは色々とあるけれど、その主な素材はポリエステルで、アトピー肌で敏感肌の私とは相性が悪く、過去にえらい目に逢ったことがある。それでも何かないかなと探しているうちに、どこをどう彷徨（さまよ）ったのか、「ドライナミックメッシュ」なる登山用衣料にいつしか行き着いた。どうやら吸汗に特化した製品のよう。レビューなど検索すると、怪しいほどの高評価と口を揃えての「快適」が気になった。製品説明などを見て検討し、ポリプロピレンというプラダンでお馴染でも繊維としては馴染みのない素材への不安や値段の高さがあったけれど、好奇心が勝り思い切って購入してみた。
　盛夏の道衣の下には、麻のシャツを着ている。そのさらに下にこれを着る訳で、１枚多いはずなのに不思議と確かに快適だった。汗のじっとりした濡れ感や蒸れ感、服の張り付きによる不快感がなく、冷房の効いた場所へ休憩に行っても汗冷えをせず、結果として消耗が少ない。練習後も、いつもなら肌着を替える必要があり、汗でかゆくもなるのに、それもなかった。ただし、暑さに関しての効果は感じなかったし（高機能な吸汗速乾インナーだと違うのかも）、やはり化繊だから連日着たら肌が負けたけれど、それを補って余りあるかも知れないと思った。
　数年前から、週１弓引きの衣替えの資料に、どの季節に何を着ていたかを記録していた。そろそろまとめに入るつもりが、冬にも使えるらしいこれのおかげで、完成までまだしばらくかかる見込みとなった。

■ミレー　https://www.millet.jp/