このサイトも、気づけば20周年となる。もっとも、その半分は休止していたけれど。実際に弓を引くところも同様で、しかし、一時中断していたからこそ、継続するよりその変化は見えているかと思う。
　昨日まで、コロナの影響で１年延期されたオリンピックが開催されていた。この期間になると見かけるのが、弓道がオリンピック種目にならないのかなという話題。何故か今回それを目にした時に、呑気な話をと思ってしまった。平成の大合併のあおりで老朽化した利用者の少ない弓道場は取り壊され、また職人さんや弓具店が廃業していることに気づいてしまったからだろうか。三度、コロナで道場が閉鎖され、大会は開催されず、今ひとつモチベーションが維持できていないからだろうか。ゆるやかな衰退を感じながら、今現在、深いことを考えずにただ楽しむためにできる、ぎりぎりのラインにあるのでは、と漠然としたものながら危機感を抱いている。
　このままでは、弓具店や職人さんは次代につなげられないかも知れない。そうなれば、広める、進化させるなんてことはおろか、現状維持すら難しくなって、最悪、お金があっても新しいものが入手できなくなるかも知れない。人と物の両輪がなくなれば、当然ながら場もなくなる。使命感を持った人に「弓道保存会」なんて細々と受け継がれれば御の字で、博物館に過去の遺物として展示されるだけになってしまうかも知れない。完全に消滅してしまったら、技に知恵や心も断絶し、言葉は死に、道は途絶える。悲観的に過ぎるけれど、そんな想像をしてしまった。
　私にできることって、何だろう。
　何の力も発想もない自分には、今まで通り、できる限り引き続け、関わることしかできないだろうし、それ位しか思い浮かばない。願わくは、後に始める人も今と変わらずに取り組めるようあり続けて欲しい。